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 第三の故郷

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 5月12日。土。曇り。砂川。2908/82。

 曇り、無風。自転車旅行には理想的な天気である。道路は日本を代表する直線道路。腰には、阿鬼三角さん奥さんお手製のお握り。ご機嫌で出発した。愛犬悠々ちゃんも、急にそわそわと私に近づいて、「道中安全に」と尾を振る。

 

 北海道に来てたったの三日しか経たないのに、「北海道は素晴らしい」と言うのはおこがましいかもしれない。確かに、私は北海道の下から吹き上げる吹雪を知らない。しかし、中国東北(旧満州)の零下30度を越える極寒を知っている。

 その中国東北の中心都市、瀋陽と札幌が姉妹都市なのだ。私は瀋陽の東50キロの撫順で、子供の頃7年を過ごした。定年後も瀋陽では日本語教師をしたり、瀋陽から北京へ、九人の中国人の仲間と自転車旅行をしたり、瀋陽には今でも友人は多い。私にとって、瀋陽は文字通り第二の故郷だ。

 

 昨夜、棋友の一人淀寛さんが、中国語の勉強を中国でしたいと言われる。貿易実務が出来たらと、目標は具体的だが、それより現地で遊び心を大切に学びたいと言う。これこそ私の「遊学センター」構想と一致する。遊ぶは学ぶ、学ぶは遊ぶ。日中文化の生涯教育センターを、中高年者を対象に作りたいのだが、なかなか進展しない。一人の人へのニーズなら、私一人でも応えられる。

 まず一番小さい一歩を踏み出してみよう。

 第二の故郷瀋陽と、第三の故郷札幌とを結ぶことをやろう。自転車旅行が終わったら、九月から始める。

 

 銀輪と 遊び心と 風に乗り

 

 

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