望郷編

528日 金曜 晴

フェリーも順調に走る。朝食を終わり食堂から出て外の景色を眺めようと通路を歩いていると、窓際の所に中年の夫婦らしいカップルの方と出合い、お互いに挨拶を交わす。その時相手の方から、昨日の乗船の時自転車で乗り込んだ事を見ていたらしく、どちらから来たのかと聞かれたので、北海道から日本縦断で鹿児島県の桜島迄の帰り道ですと、答えながら色々と話が弾む。お二人は群馬県の草津の方で、草津温泉の役職をやっているとの事で、是非温泉に来てください、出来るだけの便宜を計るとの事等を話し写真を撮り送ることにする。写真を送る為住所を尋ねたら、名刺を呉れた。夕方四時半頃川崎に到着。下船して取り敢えず皇居を目指して自転車を走らす。そのうちとうとう暗くなってしまった。それでもなんとか桜田門の所へ到着し、漸く皇居のお濠の角の所に交番があったので、ここで弟に迎えに来て貰うように電話をする。幸い迎えに来て呉れるとの返事を得たので、暫くここで待つことにした。足立区から大分距離があるらしく、大分時間がかかった。明るい時なら写真も撮れるのだが、真っ暗なので写真も撮れず残念だった。以前からテレビ等でよくきいた事がある、皇居の周りを走って運動している人が居るとの事を聞いていたが、やはりそのとおりに、次々と通過して行くランナーの姿があった。暫くして漸く弟が迎えに来て呉れたので、早速荷物を積み込んで出発する。夜の東京の街中を走るのは、まるでどこをどう走っているか分からないが、やがて弟の家に到着し、夕食をご馳走になり、今日はあまり走っていないので、あまり疲れていないので、カラオケでもやりたい気分がしたので、その事を話しをしたら、弟の嫁さんが昔からお馴染みのカラオケ屋に案内して呉れて、暫く振りなので本当に楽しく歌えた。お店の人達も大変盛り上げてくれて、とうとう二時頃まで歌い続けてしまった。

 

529日 土曜 晴

昨晩はあまり遅くまで遊んだので朝八時頃に弟の家を出発、国道四号線を北東に向かって走り出す。道路は平坦なので順調に走れた。然し晴天なので暑くなり、又昨晩の夜更かしが祟り、どうも眠気がして走りながら居眠りが出る始末。これには本当に閉口した。それでもこの辺の歩道は車道と離れているので、なお更居眠りが出るような気がした。やが宇都宮を過ぎた頃、そろそろ宿を探さねばと思ったら、氏家町に着いた。丁度ガソリンスタンドがあったので、そこで宿の事を聞いたら、この近くには無いとの事なので、少し走った所で分かれ道になり、取り敢えず右側の方に行く事にした。然し少し走ったところがまったく人家も無い所に入ってしまったので、これでは宿などある筈がないと気が付き、これはバイパス道と思い直し、引き返して先ほどの分かれ道から左側の方に」行く事にした。少し走ったら、やはり町並みが見えてきたので、少し安心した。然し宿屋は中々見当たらず、夕暮れ近くにやっと宿屋はあったが、休みらしく戸締り。それからあちらこちらと探しているうちに、暗くなってしまってしまい、人通りも無くなり聞く事も出来ず、困り果てていると、ふとコンビニがあったので、ここで聞けばと思いとびこんで、宿を探している事を話したら、一軒の宿屋の電話番号を教えて呉れたので、電話をしてみたが、残念ながら断られたので、外に無いかと尋ねたら、ここなら大丈夫と自信ありげに教えて呉れたのが、店の前の道路を真っ直ぐに行き、T字路に突き当たったら右に曲がり、又T字路に突き当たったら、右に曲がればそこにあると教えられ、その通り行ったらそこにありました。ビジネスホテル清水荘にようやくたどり着き安心した。

 

530日 日曜 晴

今日はいよいよ故郷の三春町を目指して走る日が来た。七時半頃、氏家町の清水荘を出発する。今日も昨日に引き続き気温が上昇し、暑さにはいささかばて気味だが、なんとか頑張って走る。途中木陰で休みながら走る。栃木県の西那須野町では従兄弟の所に電話を掛けてみようと思ったが、」とうとう掛けないでしまった。後で後悔した。やがて福島県に入った。白河や須賀川も過ぎてやがて郡山市に突入。暫く市内を走り三春町に行く道はどこから入るのか、中々分からず頭を悩ます。なんとか三春行きの道らしき所に出たが、どうもはっきりせず、行ったり戻ったりしながら、道を確かめながら走るという事で中々捗らず、それでもなんとか、午後六時五十分頃に、三春中町の弟の家に到着する事が出来た。本当往く時に寄る予定だったのだが、予定変更で復路になってしまったので、意外な感じがしたらしい。ここで一泊させて貰う事になる。色々と話しをしているうちに、富沢の兄が郡山の病院に入院しているとの事なので、見舞いに行く事にする。又暫く振りなので、明日の夜に温泉宿の若松屋で、完走会をして呉れるとの事なので、その言葉に甘えることにした。そして故郷での眠りにつく。

 

531日 月曜 晴後雨

午前中兄の見舞いに郡山の病院に弟の車で行く。兄の病状も思ったより元気で一安心。間もな退院出来そうと事でよかった。夕方六時から完走会をして呉れる事なので、若松旅館に行く。千葉から妹のヒサ子が来て呉れた。その他近所の親戚の人達が集まって呉れて賑やかな宴会楽しい一夜を過ごさせて貰う。小さい子供達も来て呉れて楽しかった。

 

61日 火曜 雨後晴

昨夜一泊した若松旅館を引き揚げて、弟の家新野家に帰る。仙台まで自転車で行く予定をしたが、もうこの辺で自転車をやめて、汽車帰る事に決断し、列車の切符を買い、自転車も宅配便に頼む。夕方六過ぎ頃三春駅を出発し郷里を後にする。そして郡山から寝台特急北斗星で北海道を目指す。

 

62日 水曜 晴

昨夜特急北斗星で津軽海峡を渡り、夜が明けたら日本晴れの良い天気。午前八時四十四分南千歳駅に到着。千歳市に住む娘に迎えに来て貰う。ここで一泊する事にする。近くに住む孫の和也が曾孫を連れて遊びに来た。暫く振りなので色々と話しが盛り上がり楽しい一時を過ごす。

 

63日 木曜 晴

今日で日本縦断の旅の最終日。約一ヶ月の旅も終わりの日で感無量で、娘に見送られて千歳駅を出発。一路美深を目指す。そして午後三時頃美深に到着した。駅を出て我が家に向かおうとしたら、役場の職員の方が迎えに来て呉れていたので、折角の好意に甘えて我が家まで送って戴きました。これ日本縦断の旅は終わった。この長旅を無事終了する事が出来た事は、多くの皆様のお陰と感謝致します。

住吉海岸
宮崎一葉道路
宮崎港フェリーターミナル
宮崎港停泊のフェリー
宮崎港ターミナルの掃除の人とパチリ。撮ってくれた人は、相手の方の同僚。
停泊中車積み込み中のフェリー。この船に乗船し川崎港まで。」
偶然出会った草津温泉の菊池さんご夫妻
菊池さんご夫妻と記念写真
川崎港間近の風景(1)
川崎港間近の風景(2)
川崎港間近の風景(3)
宮崎港より乗船のフェリー パシフィックエキスプレス号
道路沿いの花壇
同上
栃木県氏家町ビジネスホテル清水荘
福島県三春町の温泉若松屋のおかみさんと私の弟
若松屋の風景 雨模様のためぼやけてる
同上
私の生家の跡継ぎ、啓人君。私の甥の孫。
今回歓迎に集まってくれた親類の人達
同上
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