一句成仏   
 
2018年1月21日

   シベリアの寒流に乗り朝の風

   今日の寒さは厳しそう。

2018年1月20日
   
   寒さ慣れ零下の風に頬まかせ

   慣れると冷風も心地よい。

2018年1月19日

   南極で越冬するか重装備

   これ以上寒くなったら何を着たらよい。

2018年1月18日

   朝日待つ枯れ枝飾る白き花

   街路樹の霧氷。短い寿命。

2018年1月17日

   葱トマト茄子芋卵15元

   日本円にして200円ほど。日本なら1000円はする買い物。

2018年1月16日

   ハルピンのお国自慢は雪まつり

   生徒は中国各地から来ている。

  
2018年1月15日

   朝焼けや東の空に故郷思う

   東方遙拝と言えば時代錯誤か。

2018年1月14日

   時ならぬ窓のひだまり緩む朝

   外気温度零下1度c。今日は暖かい。

2018年1月13日

   国越えて手談の後の酒を酌み

   遼寧企業家囲碁大会に招かれる

2018年1月12日

    ヒサシブリ日本語授業の年始め

   今日からまた、日本語教師生活が始まる。

2018年1月11日

   この寒さ面の皮をも引きつらせ

   気温-15度c。自慢の面の皮ももたない。

2018年1月10日

  白銀や車の屋根も野っ原も

  昨夜来の雪で、空気も澄んで白銀の世界。

2018年1月9日

  海一つ春から冬へ首すくめ

  関空+3度、瀋陽ー6度。最低気温-22度c。

2018年1月8日

  旅立ちの防寒靴を締め直し

  今晩船で関空、明日から中国。

2018年1月7日

  膏薬を重ね張りして腰伸ばし

  やれやれ今年もどうなるか。

2018年1月6日

  
新年や集う八十路の爺と婆

  今年最初の高校同窓会があった。

2018年1月5日

  冬景色共に見る人既に亡く

  亡妻の13回忌をした。

 
2018年1月4日

  しめ縄も外しごみ捨て事始め
  
  今日からゴミ回収車も来る。

 
2018年1月3日

  正月の残りをつつき一人酒

  酒は一人に限る。

2018年1月2日

  松の内おせちに雑煮パンシロン

  ついついご馳走を食べ過ぎる。

2018年1月1日

  音凍る静かな朝や年始め
  
  良い正月だった。

2017年12月31日

  来年も生かしておくれ除夜の鐘

  健康をのみ願う。

2017年12月30日

  何事もなく年過ぎてすす払い

  一年の無事と健康を感謝する。

2017年1月29日

  客一人電車の窓に障子山

  昼間の郊外電車はのんびりしている。

2017年12月28日

  人生の冬寝たきりの頬に笑み

  私は寝たきりが単純に不幸とは思わない。

2017年12月27日

  年の瀬や賀状書き終えやっと過ぐ

  毎年のことだが・・・。

 
2017年12月26日
  
  北風に背中押されて散歩道
  
  日本もそれなりに寒い。 

2017年12月25日

  焼き鳥や蓮根皮肝餅ベーコン

  この時期焼き鳥に限る。

2017年12月24日
  
  聖し夜平和の願い遙かなり

  エルサレムにまた新たな火種。

2017年12月23日

  寝返りを繰り返し打つ長き夜

  今日から少しずつ日が長くなる。

2017年12月22日

  憚りつジャンボの列の尻に付く

  やはり少し恥ずかしい。

2017年12月21日

  小春日やペダル漕ぎ漕ぎ道後の湯

  今日は暖かい。やっと落ち着いた。

2017年12月20日

  日めくりを一枚めくって三日過ぎ

  なにをやってもとろい。日ばかり過ぎる。

2017年12月19日

  気ばかりがそぞろ歩きの年の暮れ

  まだビザの処理が終わらない。

2017年12月18日
  
  慌ただし今日の始まり袖畳み

  今日も忙しい。さあパジャマをキチンと畳んで・・・。

   
2017年12月17日

  寒酒や六十年の暖簾かな

  久し振りで夜の飲み屋街に出る。

2017年12月16日

  じゃこ天やこれ食いたくて里帰り

  じゃこ天は、我が古里伊予の味。

2017年12月15日

  あの人も訃報を重ね葉書書く

  今年も多くの知人友人が亡くなった。

2017年12月14日

  寿司食えば日本の味や義士祭り
  
  何故かたっぷり日本を感じるひととき

2017年12月13日
  
  ふるさとや惰眠にうどんに一人酒

  久し振りの日本は、やはりふるさと。

  
2017年12月12日
  
  行く帰るどちらでもない渡り鳥


  ビザの関係で今日から一時帰国。

 
2017年12月11日

  木枯らしや流し待つ間の頬を切る

  ここの寒さは痛い

2017年12月10日

  一日が重たい冷たい年の暮れ

  なんとなく気が重いことが多いこの頃。

2017年12月9日

  不精者しなびた茄子でお番菜

  冷蔵庫に茄子が残っていた。

2017年12月8日

  暮れ近し一期一会の講義する

  ビザの関係で、最後の授業になるかもしれない。

2017年12月7日

  瀋陽はやはりワンタン老龍口

  久し振りに瀋陽に戻っての実感老龍口は瀋陽の地酒。

2017年12月6日

  杜甫草堂踏み重ねゆく銀杏の葉

  銀杏は成都市の市樹。そこはまた歴史と文化の里。

2017年12月5日

  遠く来てパンダの里や風寒し

  パンダ公園遊覧

2017年12月4日

  四川鍋麻婆豆腐に五糧液

  土地の名物要理と土地の銘酒で四川棋院の接待を受ける。

2017年12月3日

  成都暮る時節知らずのスモッグと
 
  好雨時節を知る、雾霾時節を知らず。(雾霾はスモッグの中国語)

2017年12月2日

  青い目と日本の爺が烏鷺の秋

  重慶で行われた国際囲碁大会に参加した。
  
2017年12月1日

  赤門の古刹江南秋深し

  ここ江南はまだ秋だ。

2017年11月30日

  呉清源落葉三年菊薫る
  
  福州で行われた呉清源三年忌に参加した。

  漢俳
  題 呉清源三年忌

  福州爽秋天     福州秋天爽やかなり
  落葉三年呉清源    落葉三年呉清源
  山腹菊花薫     山腹に菊花薫る

  
2017年11月29日

  寒風を突き破りけり独楽の鞭

  公園で、ビール瓶大の大きな独楽を回している。


2017年11月28日

  暖炉端中式按摩に身を任せ

  月に一度は全身をもみほぐして貰う。

2017年11月27日

  昨日またかくてありけり日暮れどき

  明日もまたかくてありなんことを願う

2017年11月26日

  パイカルとナッツを友に夜深し

  異国暮らしをしみじみと思うひととき。

2017年11月25日

  起き辛しこぶら返りの冬の朝

  水分の補給を怠ると、足がつる。

2017年11月24日

  明けやらず二番寝入りの尿する
  
  最近は、一度は小用に起きる

2017年11月23日

  襟巻きも完全武装の仲間入り

  手袋をすぐ忘れる。

2017年11月22日

  激辛の重慶面で風邪封じ
  
  香辛料は、胃袋から暖めてくれる。

2017年11月21日

  くぐもりて丸き柳や葉を落とし
  
  烈風の中、小さい柳は球形で風圧面積を最小にする。

2017年11月20日

  犬の糞猫が跨いで吹きだまり

  犬猫の公衆便所は自由席。
  
2017年11月19日
 

  ワンタンの湯気けむらせる眼鏡拭き

  朝の外食の食堂の熱気はワンタンだけではない。

 2017年11月18日


  急ぎ足防寒帽の耳おろし

  私の耳たぶは、寒さに弱い。

 2017年11月17日

    初霜やよちよち歩きの四股もどき

   年寄りは転ぶのが怖い。

 2017年11月16日

  焼き芋の香り路地裏息白し

  焼き芋は安くて美味しい。大きいので5元。(80円弱)

 2017年11月15日

  小春日や胴衣のチワワとちゃんちゃんこ

  中国もペットブームである。

 2017年11月14日

  招かざる客木枯らしにセロテープ

  北向きの部屋は目張りが要る。

 2017年11月13日

   包丁の背で叩き割りくるみ食べ

  くるみは特に旨くもないが、食べ飽きもしない。

 2017年11月12日

  寒風やとぎれとぎれの鳥の声

  昔あんなに居た雀は、どこへ行ったのだろう。

 2017年11月11日

  北風や押し開ける戸を押し返し

   寒気に向かってアパートのドアを開けるには、気合いが要る

 2017年11月10日

  病葉を拾い集めて書に挟み

  短い秋に病葉も早い。

 2017年11月9日

  小春日や久しく閉じし窓を開け

     三寒四温を繰り返しながら冬は深まる。 

 2017年11月8日

  果てしなくただ空青く月白し

  広域大陸性高気圧は、全空に青いドームを作る。

 2017年11月7日

   寝て食べて出して終日冬籠もり

  インターネット碁に熱くなる。

 2017年11月6日

  肉饅に一汁一菜豆腐汁

  朝食は、毎朝近くの「早餐」(朝食専門店)で食べる。

2017年11月5日

  湯沸かし器加湿器代わりにたぎらせる

  冬の湿度は低い。時に20%以下に下がる。

 2017年11月4日

   買いだめの即席餃子をチンで食べ

   冷凍餃子は意外に美味しい。

 2017年11月3日

  柿買えば勤め帰りの日は暮れり

  5時「下班」(勤め終わり)。日暮れは早い。

 2017年11月2日

   重ね着のまたまた一つ重ねけり

  一日の間でも温度差は激しい。土地の人も頻繁に脱ぎ着する。

 2017年11月1日

   床暖に騙されゴキブリ目を覚まし

  11月1日から「地熱」(床暖)が入る

 2017年10月31日

  散り急ぐポプラ並木に息凍る

   ここで言うポプラは楊樹。防風用に道路沿いに植えられている。

 2017年10月30日

   白菜の枕を並べニーハオマ

   白菜は当地の貴重な保存食である。保存前に干してある。

 
 

一句成仏  2017年12月10日 日 愛媛新聞へんろ道掲載

 どちらかというと、殺伐とした中国東北地方の風物は、俳句と無縁の世界だと思っていた。しかしある日、中庭に保存用の白菜が干されて居るのを見て、「白菜の枕を並べニーハオマ」と呟いたら、これはどうも俳句もどきなのだ。

 ご多分に漏れず、私も最近は難しい言葉は出てこない。季語を軽視しているのではないが、元々詳しくないせいもあり、ここに適当な季語が思い浮かばない。

 外の宇宙も無限なら、内なる自己もまた限りが無い。その内なる自分と向かい合うのが季節感であり、季語はそこに介在する物だと思っている。ならば季語も又、その地に応じて無限であっていいはずだ。

 さて講釈はともかく、俳句もどきに味をしめて自分のHP(けんさん)に「瀋陽駄句日記」なる物を一日一句で書き始めてみた。左の脳が衰えて、記憶力が減退した分右の脳のスペースが出来たのか、独り言がそのまま五七五になり、滑り出しは好調である。

 一日一句。明日はまた明日の感性が生まれるのを期待しながら毎日書いてみよう。

 一日一句が、週一句になり、月一句になり・・・。その内本当に一句成仏。南無合掌。